大雨・地震による擁壁崩落にどう備える?既存擁壁を補強する「ストロングウレアGL」

近年、全国各地で局地的な豪雨や大規模な地震が相次いでいます。

住宅の浸水や建物の損傷だけでなく、注意しなければならないのが「擁壁(ようへき)」の崩落です。

擁壁とは、高低差のある土地で土砂が崩れないように支える構造物です。坂道に面した住宅地や、ひな壇状に造成された土地など、私たちの身近な場所にも数多く設置されています。

しかし、長年にわたって雨水や地震の影響を受けることで、擁壁にはひび割れや変形、排水機能の低下などが生じることがあります。見た目には大きな異常がなくても、内部で劣化が進んでいる可能性があるため注意が必要です。

劣化によって欠けてしまっている擁壁

千葉豪雨でも発生した擁壁の崩落

2026年8月、千葉県では記録的な大雨が発生しました。

千葉市では短時間に猛烈な雨が降り、広い範囲で浸水や土砂災害などの被害が発生。住宅についても全壊・半壊・床上浸水など、多数の被害が報告されています。

この豪雨では、住宅地に設置されていた擁壁が崩れる被害も発生しました。朝日新聞が報じた擁壁崩落の事例は、擁壁の問題が決して特別な場所だけで起こるものではないことを示しています。

大雨が降ると、擁壁の背面にある土へ大量の水が浸透します。排水が追いつかなくなると、擁壁にかかる水圧や土圧が増加し、ひび割れや傾き、はらみ出し、最悪の場合は崩落につながることがあります。

さらに、老朽化した擁壁は地震の揺れによって損傷が拡大する可能性もあります。豪雨と地震は別々のリスクではなく、長期間にわたって擁壁へ負担を蓄積させる要因として考える必要があります。

擁壁が崩れると住宅や周辺にも被害が及ぶ

擁壁の崩落は、擁壁そのものの修理だけでは済まない場合があります。

擁壁の上に住宅が建っていれば、地盤が失われることで建物が傾いたり、倒壊したりするおそれがあります。擁壁の下に道路や隣接住宅がある場合には、土砂やコンクリート片が流れ込み、第三者に被害を与える可能性もあります。

また、擁壁は土地の所有者が管理責任を負うケースが多く、崩落によって周囲に損害を与えた場合、状況によっては所有者の責任が問われることもあります。

「今まで問題がなかったから大丈夫」と考えるのではなく、劣化の兆候を早めに見つけ、必要な対策を講じることが重要です。

こんな症状がある擁壁は早めの点検を

擁壁に次のような症状が見られる場合は、専門家への相談をおすすめします。

  • コンクリートやブロックにひび割れがある
  • 擁壁が外側へ膨らんでいる、または傾いている
  • 継ぎ目に大きな隙間やずれがある
  • 水抜き穴から水が出ない
  • 擁壁の表面から水が染み出している
  • 表面に錆汁や白い析出物が見られる
  • 擁壁上部の地面に亀裂や沈下がある
  • 大雨や地震の後に状態が変化した

ただし、擁壁の安全性を見た目だけで判断することはできません。異常が確認された場合は、自分で補修するのではなく、擁壁や構造物に詳しい専門家による調査が必要です。

既存擁壁の補強を目的に開発された「ストロングウレアGL」

既存擁壁の維持・補強に活用できる材料の一つが「ストロングウレアGL」です。

ストロングウレアGLは、耐震補強に関する相談をきっかけに、大学との共同研究を経て開発されたウレア樹脂系の補強材料です。

施工する構造物の表面を被覆し、既存の擁壁と一体化させることで、擁壁の強靱化や、損傷時のコンクリート片・ブロック片などの剥落防止を図ります。

施工前

施工後

一般的なウレア樹脂が透明で柔軟性を持つのに対し、ストロングウレアGLは強靱性を高めた、比較的硬質な仕様となっています。

「GL」はグレーを意味しており、擁壁やコンクリート構造物になじみやすい、白に近いグレー色を採用しています。補強性能だけでなく、施工後の外観を整えやすいことも特徴です。

擁壁を壊して造り直す前に検討できる補強方法

擁壁の安全性に不安があっても、すべてのケースで擁壁全体を撤去し、造り直す必要があるとは限りません。

擁壁の構造や劣化状況によっては、既存の擁壁を生かしながら補修・補強できる可能性があります。ストロングウレアGLは、こうした既存構造物への対策を検討する際の選択肢の一つです。

ただし、ストロングウレアGLを施工すれば、あらゆる擁壁の崩落を防げるわけではありません。

擁壁の傾きや基礎部分の損傷、背面地盤の状態、排水不良など、問題の原因によって必要な対策は異なります。まずは専門家が現地を調査し、擁壁の状態を確認したうえで、補修・補強方法を検討することが大切です。

大雨が降ってからではなく、平常時の備えを

擁壁の異常は、崩落する直前まで気づきにくいことがあります。また、大雨や地震の直後は、調査・施工を依頼できる事業者への相談が集中する可能性もあります。

だからこそ、災害が起きてから対応するのではなく、平常時に擁壁の状態を確認しておくことが重要です。

「擁壁にひび割れがある」「以前より傾いているように見える」「大雨のたびに水が染み出す」といった不安がある場合は、放置せず早めにご相談ください。

ストロングウレアGLの適用可否を含め、擁壁の状態に応じた補修・補強方法をご案内します。

※ストロングウレアGLの適用には、既存擁壁の構造・劣化状況・地盤・排水状態などの確認が必要です。現地調査の結果によっては、別の補修方法や擁壁の再構築が必要となる場合があります。

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