工場、倉庫のほか、寒冷地の家屋などに使われているトタン屋根に白い斑点を見かけることがあります。その正体は白錆(白サビ)。この白錆を発見したら、放置せず、できるだけ早く処置、つまりサビを落とす必要があります。白錆を放置すると亜鉛層が消耗し、やがて赤錆の発生につながります。白錆の放置は建屋の致命傷になりかねないのです。しかし、白錆を落せばよいというものではありません。サビを落としたあとの再発防止対策が重要になってきます。
トタン屋根に見られる白錆、放置はリスクに

寒冷地や積雪地域では瓦やスレートといった屋根材に染み込んだ水分が夜間に凍結して膨張し、内側からひび割れて粉砕してしまう凍害現象が起きます。雪の重さに耐えやすく、表面が滑りやすいため雪が落ちやすいことに加え、凍害が発生しないことから、金属製のトタン屋根が広く用いられてきました。一方、工場や倉庫、農屋、納屋など、屋根の面積が広大な大型の建物ではスレートや高価な断熱一体型の建材に比べ、トタンは材料費・施工費ともに圧倒的に安く、コストを抑えられるのがメリットの屋根材として普及してきました。
トタンは亜鉛メッキ鋼板であり、断面でみると、亜鉛がサンドイッチのように鉄を挟み込み、保護しているという構造になっています。しかし、雪や雨、夜露、湿気が原因で表面の亜鉛層が酸化してしまった状態が白い斑点状の白錆です。白錆は亜鉛が鉄の身代わりとなって腐食してきているという証拠です。
しかし白錆の発生が進行すると亜鉛層が消耗していき、失われてしまうと、亜鉛に挟まれていた鉄に赤錆が発生します。赤錆は一度発生するとどこまでも鉄を腐食させていき、最終的には鉄を粉末状の酸化鉄へと変えてしまいます。屋根材にトタンを使っていた場合、赤錆による浸食が進むことで穴開きが発生していき、屋根を固定している釘やネジにも広がり、最終的には剥がれてしまったり、屋根の下にある建屋のベース部分にまでダメージを与えてしまったり、という状況に陥ります。
白錆の落とし方、段階別の対処方法は?

白錆を発見してしまったとき、その進行度合いによって落とし方は異なります。初期段階はDIYで対処できるケースもあります。しかし、すでに赤錆が発生し始めている段階になっていると、専門業者に依頼することになります。また、白錆は落とし方と同様に再発を防ぐための後処理、防錆処理が必要になってきます。
初期段階で白錆が粉を吹いている場合の落とし方
白錆が表面にうっすらと浮いているように見える場合はまだ初期段階の可能性があります。この段階では家庭用の高圧洗浄機を利用したり、あるいは柔らかいデッキブラシやナイロンたわしで水洗いを行ったりすることでトタンの表面から白錆を洗い落とします。まだ亜鉛が機能しており、鉄自体にはまだ傷が入っておらず、数週間や数ヶ月でいきなり穴が空くような状態ではないと考えられます。しかし、これで白錆を完全に落とせたわけではありません。この間で今後のメンテナンスについて専門業者へ相談し、防錆対策を含めた処置の方法を検討していきましょう。
白錆が斑点状にザラザラして、赤錆が出始めた場合の落とし方
白錆がこびり付き始めると、表面がザラつき、亜鉛が薄くなったところから赤錆が出始めます。白錆の落とし方もプロに任せた方がよい段階にあるといえるでしょう。すでに清掃で済む状態ではなくなっています。塗装業界で「ケレン作業(下地調整)」と呼ばれる、ナイロン製の研磨布やサビ取りスポンジを用いて白錆や赤錆を削り落とすだけでなく、再塗装も含めて、本格的な補修が必要になった段階といえます。
白錆より赤錆が多くなってしまった場合の落とし方

白錆よりも赤錆が多くなり、トタンが明らかに朽ちている状態になってしまっている場合、錆落としはほぼ不可能な状態にあるといえます。この段階で錆を落とすために削ると穴が開いてしまいます。こうなると錆の落とし方を考えるよりも屋根の張り替えやカバー工法による修繕を行うことになります。
白錆の落とした後は防錆処理が必要不可欠
トタン屋根の白錆は落とした後、防錆処理を行うことが必要不可欠です。白錆を発見した初期の段階で防錆処理を行えば、その後も定期的なメンテナンスで済みます。白錆が発生している段階では、まだ亜鉛層が残っている場合が多く、鉄の腐食を抑えているからです。しかし、放置し続けると白錆が流れていくたびに亜鉛層は失われていき、最終的には鉄が剥き出しの状態になります。鉄が赤錆に浸食されると、そこからはあっという間です。
白錆の段階で洗浄や軽微な下地処理を行い、上から防錆塗料を塗れば、安価で手軽な工事で済みます。しかし、赤錆が出始めてしまうと、錆を削り落とすケレン作業が必要になり、工事費用は跳ね上がります。さらに白錆よりも赤錆が多い状態になってしまうと屋根の交換という最悪の事態も考えなければならなくなります。
つまり、白錆はみつけたとき、迅速に落として、防錆処理することがトータルで安上がりになるといえるでしょう。
白錆から建屋を守るためにレジリエンスウレアを

白錆、赤錆から建屋を守る防錆コーティング塗料として注目されているのが、ポリウレア樹脂の一種であるレジリエンスウレアです。レジリエンスウレアを塗布するとトタンの表面に強靭かつ柔軟な防護壁を形成します。
酸素と水分を遮断する防水性
白錆・赤錆が発生する原因は金属が水分と酸素に触れることです。レジリエンスウレアは強靭な透明防水性塗膜でトタン全体を覆います。雨水や結露、空気を金属面に触れさせないため、サビの発生条件を根本から絶つことができます。また、レジリエンスウレアは独自の樹脂合成技術によって、透湿性も兼ね備えており、塗膜の内側に溜まった湿気を徐々に抜く働きによって塗膜の膨れや剥がれも抑制します。
トタンの伸縮に追従する伸縮性とキズを防ぐ硬度
トタンの白サビは飛来物や雪の摩擦によって表面にキズがつき、そこから亜鉛層の消耗が早まってしまうというケースが多くみられます。これに対して、ポリウレア樹脂は防弾用途などの高耐久性が求められる分野でも活用されている材料です。トタン屋根に施工することで雹(ひょう)の落下、飛来物、雪の滑落による物理的なキズから表面を守ります。
また、金属のトタン屋根は夏の直射日光で激しく膨張し、冬の寒さで収縮します。一般的な塗料はこの伸縮に耐えることができず、数年で目に見えない微細なひび割れが発生してしまい、そこから水が侵入して錆が再発します。
しかし、レジリエンスウレアはデンスクロスリンクシステム (高密度架橋システム)によって、通常の塗膜に比べて格段に強靭な塗膜が得られるだけでなく、実験の結果、約300%という追従性を記録したこともあり、伸縮性にも優れています。トタンが伸縮しても、強靭でありながら柔軟な塗膜が破れることなく追従し続けます。
期待耐用年数約30年の耐候性でライフサイクルコストを下げる
一般的な防錆塗料の寿命は5〜7年、長くても10年程度といわれています。レジリエンスウレアは第三者機関が実施した紫外線の影響を検査するSUV2000hr暴露試験で期待耐用年数30年以上という結果をだしています。一度施工してしまえば、それ以降、数年おきに足場を組んでサビを落として防錆処理を行うという面倒なメンテナンス費用を削減できます。
レジリエンスウレア施工前には徹底した錆落としを
レジリエンスウレアは耐候性、防湿性、透湿性、伸縮性など高機能をもった塗料ですが、すでに発生している白錆や赤錆を除去する機能はありません。そのため表面に錆が残ったままでレジリエンスウレアを塗布してしまうと、塗膜の内側に閉じ込められた水分と酸素によって、トタンの鉄部分で錆による腐食が進行してしまう可能性があります。そのため、白錆の落とし方でご紹介したように錆落としを完璧に行った上で、下地を健全な状態に整えてから施工することが、その性能を十分に発揮するための大前提となります。
