雨漏りが発生すると、建物に深刻な影響が現れていきます。壁のシミや変色、壁紙の剥がれといった見た目の問題だけでなく、建物の構造や居住者の健康、さらには資産価値にまで悪影響を及ぼします。雨漏りは放置することなく、早急に対処が必要です。しかし、シミや変色といった雨漏りの影響が目に見えるような状況になっているとすでに劣化がかなり進んでいるかもしれません。建物の寿命を延ばし、安全で快適な居住環境を維持するためには雨漏りの予防保全が非常に重要です。そこで注目されているのが雨漏りを防ぐ次世代のポリウレア塗料「レジリエンスウレア」です。
雨漏りによって発生する建物への悪影響

雨漏りは建物に構造的な劣化や耐久性の低下を引き起こします。また住まう人の健康問題にまで悪影響がでてしまう可能性もあります。また、雨漏り発生の履歴は、建物の評価・資産価値を著しく下げる要因となります。訳あり物件となり、告知義務がありますから、売却時や賃貸に出す際に不利になってしまいます。経済的な損失が大きくなります。
雨漏りによる劣化は木部だけではありません
雨漏りによって壁や天井に雨染み、変色ができてしまい、内装の美観を損ないます。クロス、壁紙の剥がれや塗装の劣化も発生します。しかしそれだけではありません。雨水が建物内部に浸入し続けると、木部や金属部分にも劣化が発生します。
木造建築では柱や梁、土台などの構造材が腐食していき、建物の強度を著しく低下させてしまいます。最悪の場合、倒壊の危険性もでてきます。金属部には錆を発生させます。鉄筋コンクリート造の場合、内部に鉄筋が使われています。この鉄筋がサビによって膨張し、コンクリートにひび割れを発生させてしまう場合があります。
健康被害にもつながるカビやシロアリの発生

雨漏りによって湿度が上がり、壁や天井、家具に発生しやすくなるのがカビです。カビは見た目だけでなく、悪臭も放ちます。また湿った木材を好むのがシロアリ。シロアリは湿った木材を好むため、雨漏りしている箇所はシロアリにとって格好の繁殖場所となります。シロアリが木材を侵食することで、建物の強度はさらに低下し、大規模な修繕が必要になっていくこともあります。
雨漏りによってカビやダニが発生してしまうと、アレルギー性鼻炎、喘息、皮膚炎などの健康被害を引き起こす可能性があります。カビなどが原因でシックハウス症候群の症状が悪化することもあります。
漏電や火災につながる場合も
雨漏りによって雨水が電気配線やコンセント、ブレーカーなどに浸入していくと、漏電やショートを引き起こす可能性があります。漏電やショートは、感電事故や火災につながる非常に危険な事態に発展するリスクがあります。こうした悪影響は、雨漏りを放置すればするほど深刻化していきます。
雨漏りを予防保全する

雨漏りが発生した建物は訳あり物件となってしまい、告知義務が発生します。資産価値が周辺相場と比較して大幅に下落してしまうでしょう。雨漏りによる悪影響が目に見えてきたときにはすでに深刻な被害状況になっている場合もあります。そこで建物の寿命を延ばすだけでなく、安全で快適で安心して暮らせる居住環境を維持するための雨漏り対策として予防保全を行っていくことが重要です。
定期的な点検で雨漏りを防ぐ
雨漏りの要因となるのが屋根材や外壁、ベランダの劣化です。屋根の頂上部分の金属が浮いていたり、サビがでていたりしないか、外壁の各所にクラックがないか、サビなどがでていないかといった確認は目視でも可能です。専門業者による定期的な点検を行う前に日頃からご自身でできる確認をしましょう。
専門業者による定期メンテナンスを受ける
高所はご自身で点検するのは困難です。また、専門的な判断が必要な箇所もあります。確実な予防保全策として、挙げられるのはプロの業者に依頼して定期的に点検してもらうことです。建物の築年数や劣化状況によりますが、屋上の防水や外壁の点検は3年から5年の周期で行うことが推奨されています。定期点検によって、不具合、劣化が発見された場合、軽微なうちに修繕しておくことが重要です。また改修は約10年が目安となっています。特に屋根や外壁、シーリングなどの防水機能を維持するためには定期的な再塗装が必要となっています。
次世代ポリウレア塗料で雨漏りを予防保全する
屋根材や外壁材の防水塗膜、屋上やベランダの防水層のトップコートは劣化を防ぐため、塗料メーカーは約5年ごとに塗り替えを行うことを勧めています。しかし、管理する側からすれば、この塗り替えで発生するメンテナンスコストをできるだけ抑えたいと考えるのは当然のこと。そこでこれまでトップコート塗料の耐久性の向上が求められてきました。そこで登場したのがレジリエンスウレアです。
レジリエンスウレアは次世代ポリウレア塗料

レジリエンスウレアは次世代型ポリウレア樹脂塗料であり、これまでのポリウレア系塗料で課題となっていた問題が解決されています。レジリエンスウレアには次のような特徴があります。
- 超耐候性:第三者機関によるスーパーUV試験機2000時間(約40年相当)の実験に耐え抜いており、紫外線劣化を大幅に緩和し、長期間、建物の美観と性能を維持。
- 強靭性:防弾、防爆性能から米軍の弾薬庫や特殊警察の防弾チョッキに使用されるポリウレア樹脂をベースとしており、非常に強靭な塗膜を形成。
- 防水性と伸縮性:強靭な防水塗膜を形成。また、高い伸縮性があり、柔軟な塗膜となるため、下地にひび割れが生じても塗膜が伸縮して追従。
- 高透明度:高い透明度で建物の外観の印象を変えることなく保護が可能。
- 透湿性:外部からの水の浸入を防ぎつつ、塗膜の内側に溜まった湿気を外部に逃がすため、塗膜内部の湿気による膨れや剥がれを抑制。
- 低汚染性:架橋密度の高さにより塗膜表面が緻密で、汚染物質が定着しにくく、汚れにくい。
- 環境対応:ポリウレア樹脂塗料なので、VOC(揮発性有機化合物)の排出がほとんどない。
ポリウレア樹脂の欠点や不具合を解消したレジリエンスウレア

ポリウレア樹脂塗料はこれまでにも注目されてきたのですが、従来型ポリウレア樹脂塗料の多くは2液混合タイプであり、専用の高温・高圧のスプレーガンで塗布する必要がありました。また、施工には専門的な知識、技術のほか、高価な専用設備も不可欠だったほか、適切な下地処理やプライマーの選定ができなかったり、塗布方法を誤ったりすると、塗膜の剥がれ、膨れ、本来の性能が発揮できないなどの不具合が発生するリスクもありました。
レジリエンスウレアは1液化を実現したほか、数秒から数分で硬化するという乾燥のスピードを緩和したこと、ローラー施工を可能にしていることなど、ポリウレアの欠点や不具合を解決したことから、次世代のポリウレア樹脂トップコート塗料として注目されています。
レジリエンスウレアを雨漏りからの予防保全に
ポリウレア樹脂塗料の持つ性能を大幅に向上させただけでなく、これまでのポリウレアにあった欠点や不具合を解決したことで施工しやすくなったレジリンスウレア。雨漏りから予防保全するためのコーティング剤として利用するケースが増えてきています。屋根や外壁、屋上やベランダの防水塗膜に利用することで、建物を管理する側からは「ラストリフォームにできる」「メンテナンスコストを低減できる」と期待されています。
約5年に一度の塗り直しを、とメーカーから推奨されてきた雨漏り対策のための防水塗膜メンテナンス。次世代ポリウレア樹脂塗料「レジリエンスウレア」は約40年という耐久性があることから、屋根や外壁、屋上やベランダの防水塗膜をメンテナンスする費用を大きく低減することが可能になるでしょう。