軽くて安価、デザイン性も豊富なことから日本で最も普及している屋根材の「スレート瓦」。セメントに繊維素材を混ぜ、薄い板状にプレス成型して作られています。このスレート瓦でかつて利用されていた繊維素材がアスベスト(石綿)。そのため、1960年代から2000年代初頭まで、当時のスレート屋根はアスベスト屋根とも呼ばれていました。健康被害への懸念から、現在のスレート瓦はノンアスベスト繊維を利用したものとなっていますが、問題となるのは、これまでに普及してきたアスベスト屋根です。アスベスト除去のための解体費用が高額になるため、頭を悩ませているオーナーが少なくありません。
爆発的に普及していたアスベスト屋根

アスベストはセメントに混ぜて利用することで、高い耐久性と強度をもたらしたことに加え、優れた耐火・耐熱性があり、耐候性も高く、経年変化が少なかったこと、さらには軽量であり、屋根材で利用した場合には建物の重心を下げ、耐震性を高めることなどの特徴から、「魔法の建材」ともてはやされ、爆発的な勢いで普及していました。
しかし、アスベストの繊維は非常に細かく、吸い込むと肺の奥に刺さって残り続けます。これが数十年という長い潜伏期間を経て、肺がんや中皮腫などの深刻な病気を引き起こすことが判明したため、2004年にアスベストを1%超含む屋根材などの製造が原則禁止となり、2006年にはアスベストを0.1%超含むすべての製品の製造・使用が原則禁止となりました。2012年になると、アスベストの代替品がなかった一部の特殊な工業製品も含め、製造・使用・輸入が完全に禁止となります。
アスベスト屋根はすべてが危険?対策方法は?
2006年以降に建てられた家であれば、アスベストの心配はほぼないといえます。しかし、2004年以前、利用規制が始まる前に建てられた住宅の屋根にはアスベストが含まれている可能性が非常に高いといえます。
セメント成分の経年劣化で高まるアスベスト飛散リスク
アスベストは高い耐久性や耐候性といった特徴があり、なおかつセメントで固められていることから、すべてのアスベスト屋根がただちに危険な状態にあるとはいえません。しかし、設置されてから、30年、40年と経過した場合、経年劣化が起き、セメント成分の中性化が進むことで、屋根材自体が脆くなっているケースも少なくありません。劣化が進み、アスベスト繊維が表面に露出したり、割れやすくなったりすると、アスベストの粉塵飛散リスクが高まります。
アスベスト屋根はできるだけ原形を保ったままの除去で
劣化が進んでしまっている場合、アスベスト屋根の補修工事を検討することになりますが、この補修工事においては粉塵が飛散しないような対策を講じなければなりません。
アスベスト屋根を破砕や切断などせず、手作業で原形を保ったまま除去する、あるいは水や飛散防止剤を噴霧して、湿らせた状態で作業を行うなど、特殊な作業で処理することになります。また、作業上、やむを得ず破砕を行わなければならない場合には作業場所をシートで囲い、隔離した状態で行うことになります。このとき、石綿障害予防規則に従って保護具の着用、有資格者による作業、そして作業記録を保存することが義務付けられています。また、大気汚染防止法に基づき、アスベスト屋根の解体工事では、工事前の調査や自治体への事前報告なども必要です。
高額になってしまうアスベスト屋根解体費用

アスベスト屋根解体、撤去に際しては事前の調査費用、飛散の防止を考慮した特殊な作業が必要になるだけではありません。除去したアスベストは専門の処理場への運搬費用や処分費用も発生します。一般的な屋根の解体費用と比較して高額となってしまうのはいうまでもありません。しかも解体したあと、新たな屋根を載せる費用がかかるのです。
アスベスト屋根解体費用、抑えるためには封じ込めで
できるだけコストを抑え、アスベスト対策を行いたい、と考えるのは当然のことです。アスベスト屋根を解体して取り除くのではなく、その場に封じ込めてしまえば、新たな屋根を載せる費用は発生しません。
カバー工法(重ね葺き)による封じ込め
防水シートと、軽量なガルバリウム鋼板などの新しい屋根材を、現在の屋根の上に被せる方法です。アスベストを完全に閉じ込めることができるだけでなく、断熱性や遮音性も向上します。アスベストの撤去費用がかからないため、屋根を葺き替えよりも安く済みます。しかし、将来、家を解体するときには二重になっている屋根とアスベストの処分が必要になり、その際の費用は高額になるというデメリットがあります。
塗装・コーティングによる封じ込め
屋根の表面を専用の塗料でコーティングし、アスベストの飛散や劣化を防ぐ方法として、塗装・コーティングがあります。屋根材自体は延命できるのですが、一般的な塗料やコーティング剤の耐用年数は10年から15年程度。再度の塗り替えが必要となってしまいます。
レジリエンスウレアでアスベストを封じ込める!
レジリエンスウレアは、米軍の弾薬庫の保護などにも使われているポリウレア樹脂をベースにした最新の塗料です。耐用年数や耐候性能など、一般的な塗装やコーティング剤とは一線を画す性能を持っています。レジリエンスウレアを利用してアスベストを封じ込めた場合、葺き替えとの比較では大幅なコストダウンが可能になります。
40年の耐用年数を誇るレジリエンスウレア

通常のアスベスト封じ込め塗装は紫外線や10年から15年で劣化し、塗り替えが必要になります。一方、レジリエンスウレアの期待耐用年数は40年以上を誇ります。第三者機関によるスーパーUV試験機を用いた試験では2,000時間の暴露後も良好な塗膜を維持し、年数換算で約40年に相当する結果が出ています。レジリエンスウレアを利用した場合、一度の施工で長期間にわたってアスベストを閉じ込めるので、安心して住み続けることができます。
弾力性と追従性でアスベスト屋根のひび割れに対応

アスベスト屋根は経年劣化でひび割れが発生しやすく、そこからアスベストの粉塵が漏れでて飛散してしまうというリスクがあります。レジリエンスウレアには高い伸縮性があり、屋根材にひびが入っても、塗膜が伸びて追従します。
屋根を強靭化するレジリエンスウレア
レジリエンスウレアは非常に硬く、かつ粘り強い膜を作ります。そのため、コーティング剤として利用した場合、古い屋根材自体の強度も高めることができます。これにより、台風などの災害時にも屋根材が飛散するリスクを大幅に下げられる可能性が高まります。
レジリエンスウレアでアスベスト屋根対策を大幅コストダウン
アスベスト屋根は健康に被害を及ぼすリスクがあります。そのため対策を講じたいと考えるのは当然のことです。しかし、解体・除去の場合、事前の調査が必要なこと、特殊な作業工程や解体・除去後に専門業者によるアスベスト処理を依頼しなければならないこと、さらには新たな屋根を葺き替えることになるため、一般的な屋根のリフォームよりも費用は高額になります。
封じ込めという手段で一時的な対策を講じれば、屋根の葺き替えは不要となり、対策費用も抑えることができます。ただし、一般的なコーティング塗料を利用した場合、10年から20年で再度の塗装が必要となってきます。その解決策がレジリエンスウレアです。レジリエンスウレアをコーティングに利用してアスベストを封じ込めた場合、30年から40年、再塗装は不要となります。もちろん葺き替えず、現在の屋根をそのまま利用することができます。
アスベストの使用が禁止されてから、20年以上が経過し、今後、ますます対策を講じなければならない物件が増えてくるのはいうまでもありません。レジリエンスウレアによるコーティングはアスベスト対策における新たな選択肢となっており、普及が拡大しています。
